【マネージャー必見】社員の強みを土台にした組織を築くための3つのステップ

「企業の生産性を高めたい」
顧客ロイヤルティーを高めたい」
「才能ある社員の定着率を高めたい」…etc.

これらは、多くの企業に共通する普遍的な悩みではないでしょうか。
そんな悩みを一挙に解決する方法は、社員の強みを活かすことであると、強み研究の第一人者ドン・クリフトン博士は言います。

本記事では、社員の強みを土台にした組織を築くための具体的な3ステップをご紹介したいと思います。

※ ドン・クリフトン博士についてのプロフィールや功績については、以下の記事をご覧ください。

望ましい成果を正しく測定する基準をもうける

望ましい成果を正しく測定する基準をもうける理由

強みに基づく組織をつくるためには、個々の社員の才能がきちんと機能しているかを誰もがわかる形で見えるようにする必要があります。

例えば、Google社は目標と成果指標を測るために、「OKR(Objectives and Key Results)」という方法を取っており、人的資源の重要性と潜在能力を信じていることがわかります。

中には、「わたしの仕事は評価できない」という業務もあるかと思います。
しかし、どんな業務もなんらかの成果を上げるためのものである以上、(その成果の全てではなくても)評価を下せるよう工夫すべきであるといえるでしょう。

自分と社員との相互関係を知るための質問

ここで注意すべきは、「仕事のやり方」を細かすぎるほど指示し、社員の個性を押さえつけようとしないことです。
強みを土台にした組織をつくるには、社員一人ひとりの才能に向き合うことが大切です。

その際、以下のような質問表を活用することをおすすめします。

※ 回答は、「5=まったくその通り」から「1=まったく違う」までの五段階になっています。
※ アンケートは、年に二回は実施することが望ましいとされています。

  1. 仕事上で自分が何をすべきか、要求されていることがわかっていますか?
  2. 自分の仕事を適切に遂行するために必要な情報や道具は揃っていますか?
  3. 最高の仕事ができるような機会に毎日恵まれていますか?
  4. この一週間の間に、仕事の成果を認められたり、褒められたりしましたか?
  5. 上司や同僚は自分を一人の人間として認めて接してくれていますか?
  6. 仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人はいますか?
  7. 仕事上で自分の意見は尊重されていますか?
  8. 企業のミッションと照らし合わせて自分自身の仕事は重要だと感じられますか?
  9. 同僚は質の高い仕事をしていますか?
  10. 職場に誰よりも親しい友人はいますか?
  11. この半年の間に、自分の進歩について誰かと話し合いましたか?
  12. この一年の間に、職場で学習し、成長する機会に恵まれましたか?

社員のパフォーマンスを見える化する

ノンレーティングについて

近年、期初に設定した目標の達成度を期末にまとめて評価し、A~Eといったランク付けをして報酬を決めるレイティング型の評価制度を取り止め、ノーレイティング型(期末に一律評価をしない)の制度を採用する企業が増えてきています。

その理由は様々あると思いますが、人々の多様な価値観が顕在化し、ランク付けによって強く動機づけされる人の絶対数が減ってきていることがその理由の一つではないでしょうか。

社員のパフォーマンスを見える化する理由

重要なのは、ここで取り上げる「パフォーマンスの評価」は、ランク付けとは無縁であるということです。社員のパフォーマンスを見える化することの目的は二つあります。

  1. それぞれの業務において望ましい成果を得るための思考や行動を社員自身が自覚すること
  2. 社員の、組織に対する愛着が生まれること

1. それぞれの業務において望ましい成果を得るための思考や行動を社員自身が自覚すること
「限られた時間の中でどうやって業務に優先順位をつければいいか」、「自分は仕事で何を期待されているか」などを社員自身が自覚することは、誰かの指示があるまで動かない姿勢から、自ら考え動く姿勢を育てることに効果的に機能するでしょう。

2. 社員の、組織に対する愛着が生まれること
「自分が大切にされている感覚」は誰しも無自覚に求めていることではないでしょうか。
組織に対する愛着や思い入れ(エンゲージメント)が高い組織は、生産性だけでなく、結果的に顧客の満足度も高まる傾向にあることがあらゆる研究で証明されています。

社員一人ひとりと当人の才能・強みについて話し合う

社員の才能・強みについて話し合う理由

このステップは、全てのステップの中で最もシンプルでありながらも、最もおろそかにされてしまいがちなことであるといえるでしょう。

これは、一つの業務において、社員は全員似たり寄ったりのやり方で仕事を進めるものと思い込んでしまっているからではないでしょうか。実際には、同じ業務でも、一人ひとり異なった考え方、異なった行動で取り組まれます。

ギャラップ社が世界各国のビジネスパーソン約一七〇〇万人に行ったインタビュー調査によると、「自分に適した職務を与えられていない」と答えた社員は全体の八割だったそうです。社員自身の最高のパフォーマンスを発揮してもらうためにも、マネージャーや教育担当者、リーダーが一ヶ月に一度は社員と向き合い、真摯に対話を行うことは重要なステップであるといえるでしょう。

社員の資質や強みについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

五つの留意点

一人ひとりの社員とどのような話し合いを行うかは、マネージャーやリーダー自身が目的に沿う形で自由に決めればよいでしょう。
その際、次の五つの点を留意しておくことが大切です。

  1. その社員の最も秀でた才能は何か?
  2. その才能を生かして仕事でどのような成果を収めることができるか?
  3. そのためにはどういう手順が効果的か?
  4. 才能を真の強みに育てるためには、どのようなスキルを習得し、どのような経験が必要か?
  5. 社員が望むマネージャーの対応はどのようなものか?

一対一の対話、コーチングのやり方について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

強みを活かすよう奨励し、強みを武器に優れた成果を収められるチームは、「良いチーム」の定義といえるでしょう。

本記事、本サイトが、社員を効果的に育成し、優秀なチームをつくることの一助になれば幸いです。
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