もっとも優れた潜在能力の源泉を見つけることを目的に開発された「ストレングスファインダー®」をご存知でしょうか?
ストレングスファインダー®とは、米国ギャラップ社の開発した「才能診断」ツールです。Webサイト上で177個の質問に答えることで、自分の才能(=強みの元)が導き出されます。ストレングスファインダー®における「才能」は次のように定義されます。
才能とは、無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターンのことである。
(出典: 『さあ、才能に目覚めよう』日本経済新聞出版社)
すなわち、自分の思考、感情、行動の「特徴」そのものが「才能=強みの元」であるとされています。
(参照: 株式会社ハート・ラボ・ジャパン)
本記事では、あなたの才能を知るための3つの手がかりをご紹介いたします。
出典: 『さあ、才能に目覚めよう』日本経済新聞出版社
目次
才能を知るための3つの手がかり
切望
誰に頼まれたわけでもなく、なぜか没頭してしまうものは、あなたに備わった才能である可能性が高いといえるでしょう。
「切望」は、特に幼いころに表面に現れやすく、どんな才能を秘めているかが明らかになりやすいと言われています。
互いに幼な友達である俳優のマット・デイモンと同じく俳優のベン・アフレックは、一〇歳のころから、学校のカフェテリアの片隅で二人きりで、自分たちの演劇プロジェクトについて語り合っていた。ピカソは一三歳で美術学校に通い、芸術を学んでいた。建築家のフランク・ゲーリーは、五歳のときに、父親が経営する金物店から持ち帰った木切れで、自宅の今の床に複雑な模型を組み立てた。モーツァルトが初めて交響曲を聞いたのは、一二歳の誕生日を迎えるまえのことである。(p81)
本書では、「切望は、なにも選ばれた天才だけに現れる特質ではなく、すべての人に言えることである」と断言されています。
振り返れば、子どものころに何かに夢中になり、大人に止められた経験は誰にもあるのではないでしょうか。
また、幼少期の感情は、脳のシナプス結合によって、十人十色の反応が現れます。
たとえ社会的、経済的制約があったとしても、あなた独自の回路は、あなた自身に気づいてもらえるよう常に訴えかけています。
「自分に才能なんてない」と考える人も、「自分が夢中になったものは何だろうか」と耳を澄ましてその声を捉えてみてはいかがでしょうか。
習得の早さ
何かを学んだとき、周りの人間を引き離し、その分野についてあっという間に長けてしまったという人もいるのではないでしょうか。
「習得の早さ」は自分の才能を特定するための有効な手段の一つです。
一生の職業の方向性を決定づける突然のひらめきは、すべての人に訪れるわけではない。しかし、その技術が販売であれ、プレゼンであれ、建築設計であれ、仲間に効果的なフィードバックを行うことであれ、事業計画書の作成であれ、ホテルの客室の清掃であれ、テレビ番組のゲストの手配であれ、どんな分野であれ、必要な技術を習得するのが早ければ、その分野をさらに追求すべきだ。(p84)
本書で紹介されている著名な造園家、フレデリック・ロー・オルムステッドは、才能の芽が出てから先例のない早さでトップまで登りつめた人物です。
彼は三〇歳近くになるまで、移り気で特に取り柄のない人物だったといいます。
しかし、一八五〇年、イギリスを訪れ、ある生け垣を見たときに天職に出会うことになります。彼の言葉を借りると、「イギリスの生け垣に花が満ち、潤いのある外気の中、柔らかな陽の光が漂う」光景に強く胸を打たれたそうです。
その後アメリカに戻ると、何年もかけて構想を練り、造園家の大きな大会で優勝。そして、初仕事として、ニューヨークのセントラルパークを設計するようになります。
もしかすると、彼が自分の内から湧き上がる情動を無視していたら、天職を見過ごしていたかもしれません。
あらゆる場面で、自分自身を深く観察する洞察力が、才能に出会うための姿勢であるといえるのではないでしょうか。
満足感
ギャラップ社は、二〇〇万人にインタビューする中で、「最も幸せを感じる自らの行動と成果」について尋ね、ほぼ同じ答えを得たといいます。それは、何かに挑戦し、それが解決できたとき、という答えだそうです。
しかし、深く追究すると「何かに挑戦する」という言葉の奥には、千差万別、人によって意味するところが全く異なっていたといいます。
たいていの人が気づかないような、誰かの成長に気づき、満足を得る人がいた。また、混乱状態を鎮めるのが好きな人もいれば、大きな行事でホストを務めることに大きな喜びを見出す人、部屋に掃除機をかけることに喜びを感じる人もいた。あるいは、構想を練ることが心底好きな人もいれば、それとは逆に、構想というまだ結果の分からないものは信用できず、すでに結果が出ているものを分析して、真実を発見することに興奮を覚える人もいた。学ぶことこそ真に意義深い行為と思う人、人を助けることに意義を見出す人、拒絶されることに多大な喜びを覚える人さえいた。この最後の人は多分、自らの説得力を披露する機会が得られたことが喜びにつながるのだろう。
ギャラップ社の研究結果から、人間は一人ひとり独自の個性を持っていて、何から満足感を得るかは、どんなに似ていても、それぞれに異なるということができます。
「自分はどのような状況で満足を覚えるかを仔細に観察すること」で、才能のありかに近づくことができるでしょう。
「ストレングスファインダー®︎」を受検する方法
「ストレングスファインダー®︎」は質問が177問あり、所要時間は30~40分程度ですが、テストは1問20秒以内で答えるというシステムになっていて20秒経つと強制的に次の問題へ進んでしまうので、時間と心をしっかり確保するようにしましょう。
なお、実際に診断するには以下の三つのやり方があります。
アクセスコード付きの書籍を購入して診断する
画像をクリックすると、Amazonの購入画面に移ります。
書籍:「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」 (日本経済新聞出版社)
ギャラップ社のサイトで直接アクセスコードを購入して診断する
ギャラップ社公式サイトはこちら
スマートフォンやタブレットなどで専用のアプリをインストールして診断する
App Store、GooglePlayにて、「CliftonStrengths™」と検索してみてください。
まとめ
切望、習得の早さ、満足感。これらを見つめ、真に強みに生きる人生を築くのは、簡単なことではないでしょう。
しかし、本書によれば、「自身の強みを深く知ることで、周りの人たちの強みにも気づくことができる」といいます。
「意思疎通すらできず個々のリソースが存分に発揮できていない組織」と、「メンバーの強みを組み合わせてチームワークを形成している組織」とでは、明らかに後者の組織の方が発展の可能性を実現できるといえるでしょう。
本記事、本サイトが、あなたや社員の強みを発掘し、より良いチームワークを形成するための一助になれば幸いです。
もし、新入社員教育についてお悩みのことがありましたら、新入社員研修の紹介を専門とする私共に、お気軽にご相談ください。