ビジネス書としては異例のベストセラー、ロングセラー本「さあ、才能に目覚めよう(原題:NOW, DISCOVER YOUR STRENGTH)」の著者であるドン・クリフトン博士をご存知でしょうか?
彼は、全世界で1800万人以上が使用している強み診断の定番ツール「ストレングスファインダー®︎」の開発と総指揮を行った人物としても知られています。
本記事では、ドン・クリフトン博士の言葉を引用しながら、半世紀にわたり200万人の能力を調査し明らかになった「才能」と「強み」の違いをご紹介したいと思います。
チーム編成のヒント、あなただけでなく、あなたの会社の社員の自己理解の一助となれれば幸いです。
ドナルド・O・クリフトン(Dnald O. Clifton) 1924-2003
ギャラップ社元会長。「ポジティブ心理学の祖父」「強みの心理学の父」として、全米心理学会からその功績が認められている。ストレングスファインダー®︎の発明者であり、34の資質プログラムにおいて総指揮を執る。著書に『さあ、才能に目覚めよう』『強みを活かせ!』『心の中の幸福のバケツ』(日本経済新聞出版社社)がある。
目次
「才能」と「強み」の違い
「自分の才能を知らず、それを磨く努力をしていない有能なリーダーには会ったことがない」
北代西洋条約機構(NATO)軍元最高司令官ウェズリー・クラーク〈ニューヨーク・タイムズ・マガジン〉
「才能」とは何か?
「さあ、才能に目覚めよう(原題:NOW, DISCOVER YOUR STRENGTH)」における「才能」の定義は以下の通りです。
才能とは、繰り返し現れる思考、感情および行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質のことである。
あなたの中で、繰り返し現れる思考、感情および行動のパターンを生み出しているものは何でしょうか。
本書では、「才能は一人ひとり独自のもの」であり、それは人生の中で永続的に存在するものであるといいます。
例えば、あなたが「共感性」の才能・資質を備えている場合、特に意識しなくても、自分を相手の状況に置き換えて考え、相手の感情を察するといった思考・行動のパターンを有している可能性が高いでしょう。
このような才能・資質をあなたの仕事や生活に合わせて磨き上げることであなたの「強み」を築くことができます。
「強み」とは何か?
続いて、本書における「強み」の定義は以下の通りです。
強みとは、特定の活動において、一貫してほぼ完璧な成果を生み出し続けられる能力のことである。
あなたの才能・資質を「強み」にまで磨き上げるには、もともと兼ね備えている才能に加えて「知識」と「スキル」が必要となります。
また、脳内回路の仕組みから、「知識」や「スキル」は後天的に学習や経験によって獲得できるのに対し、才能・資質は生まれつきの能力であり後天的に習得することはほぼ不可能であることも指摘されています。
「共感性」の才能・資質を強みに昇華する場合、
- 知識: あなたが販売する製品に関する、お客様にとって役立つ魅力的な情報
- スキル: 顧客アプローチや製品プレゼン、販売クロージングのスキル
このような知識とスキルを身につけることで、顧客のニーズや口にしない質問を予測するだけでなく、より満足できるプランを提案したり、安心感を与える話し方で説明することができるかもしれません。
「顧客の経済的なニーズや顧客が心から気にかけていることがわかるため、結果的に深い信頼関係を結ぶことができ、継続的に自社のサービスを使ってもらえる」は立派な強みであると言えるでしょう。
つまり、才能・資質を磨き上げることで、「一貫してほぼ完璧な成果を生み出し続けられる能力」(=強み)になります。
「弱点」にはどう向き合うべきか?
本書では、弱点を「すぐれた成果を得るのに妨げになるもの」と定義されています。
わたしたち日本人の多くは、学校教育や親の言葉、メディアを通して「優秀な人間になるにはまず弱点を克服すること」という教えを受けてきたのではないでしょうか。
しかし、誰もが生まれ持った資質や才能を根っこの部分から変えようとすることは、この上なく非生産的で、かつ意味のないことであることだと言えるでしょう。
とはいえ、本書には「弱点は無視するべきではない」と書かれています。
なぜなら、弱点に対して見て見ぬ振りをすることで、強みを活かす足枷となる可能性があるからです。
弱点は無視するのではなく、「それが得意な人に任せる」「完全なる克服でなく少しでも改善してみる」など、うまく折り合いをつけ、強みをより解放し、活かすことが大切であると言えるでしょう。
「ストレングスファインダー®︎」を受検する方法
「ストレングスファインダー®︎」は質問が177問あり、所要時間は30~40分程度ですが、テストは1問20秒以内で答えるというシステムになっていて20秒経つと強制的に次の問題へ進んでしまうので、時間と心をしっかり確保するようにしましょう。
なお、実際に診断するには以下の三つのやり方があります。
アクセスコード付きの書籍を購入して診断する
画像をクリックすると、Amazonの購入画面に移ります。
書籍:「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」 (日本経済新聞出版社)
ギャラップ社のサイトで直接アクセスコードを購入して診断する
ギャラップ社公式サイトはこちら
スマートフォンやタブレットなどで専用のアプリをインストールして診断する
App Store、GooglePlayにて、「CliftonStrengths™」と検索してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
強みとは何かを知れば知るほど、「人は誰でも、あらゆる能力を発揮することができる」というのはただの神話に過ぎないということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
社員の教育においても、社員の性格や能力は一人ひとり異なるという事実を踏まえ、その違いを良い方向に活かすことが大切であると言えるでしょう。
本記事、本サイトが、優秀な人材を育成することについてお悩みの方の一助になれば幸いです。
もし、新入社員教育についてお悩みのことがありましたら、新入社員研修の紹介を専門とする私共に、お気軽にご相談ください。